(改訂版2014.2) ■日本キリスト者医科連盟へのお誘い
  その歴史と趣旨

 日本キリスト者医科連盟(The Japan Christian Medical Association略称JCMA)は60年以上にわたり活動している、キリスト者医療従事者の集まりです。

本連盟のもとをたどると、1938年(昭和13年)学生YMCA (日本基督教青年会)に属する医学生が京都に集まり、当時戦地であった中国の病苦に悩む人々-の医療伝道を志し、診療班を派遣したことに始まります。その活動から3年後には、南京に朝天病院を開設し、1945年9月に中国政府の命により閉鎖されるまで、中国の難民のために診療を行いました。

敗戦後は、その時の同志が日本の各地で集会を持っていましたが、1949年(昭和24年)1月、横須賀の衣笠病院に、広く全国からキリストを信ずる医師、看護師、医学生たちが結集して,現在の日本キリスト者医科連盟を結成しました。
以来今日まで、60年を超える歩みを続け、毎年夏には、全国からの会員が一堂に会し、心を開いて語り合い、また祈りを共にする集会(総会)を開催しています。そして、各分野の医療従事者や学生-の伝道と教育を行う目的で、年10回、機関紙「医学と福音」を発行し、"医学"と"福音"の間に介在する問題を掘り下げ、患者と医療担当者の人間関係のあり方などについて、信仰者として、研究や討議を重ねています。

対外的には、1956年から日本キリスト教協議会(NCC)に加盟しています。そのほか、1970年から、韓国、台湾の基督者医科連盟との交流プログラムを毎年夏に持ち、最近ではその輪が広がって、中国本土、香港、タイ、モンゴルからの参加者を得て、ともにキリストにあずかる医療従事者として、友情と交わりを深めています。さらに、1950年代から、国際キリスト者医科歯科連盟(ICMDA)にも加盟しています。
日本キリスト者医科連盟の国内での活動としては、日本国内の医療奉仕事業として、古くから僻地や離島、さらには大都市の人口密集地などでフィールド・ワークを行ってきました。最近では、国内外の大きな災害に対し、救援活動を行っています。また日常的な活動としては、全国各地の地方部会において、より身近な交わりと活動を続けています。

特筆すべきことは、1959年以降、東南アジアはじめ発展途上国の医師、看護師に日本での研修の機会を提供しているほか、1960年には当連盟を母体として、日本キリスト教海外医療協力会(Japan Overseas Christian Medical Cooperative Service略称JOCS)を結成したことです。JOCSは医師、看護師,保健師,栄養士、理学療法士等の医療従事者を発展途上の国々-派遣し、本連盟と協調しながら活動を進めています。講演会や使用済み切手集め運動などで、全国の小・中・高等学校あるいは教会や職場のご協力をいただきながら、海外医療支援の民間機関として、先駆的な働きをなして来ました。

医療の分野では、本連盟の会員の多くが、古くは不治の病とされた結核やハンセン病の分野に従事されました。また最近では、早くから自死の問題や終末期医療に大きな関心を寄せる方が多く、"いのちの電話"の活動や、ホスピスそして在宅終末期医療の分野に、先駆的役割を担ってきています。

私たちの生きる現代社会が、近代化を果たし、急速にグローバル化するこの時代。国内的には高齢化社会を迎え、先進医療が目覚ましく発展するこの時代。新たな重大な課題が、私たちキリストを信ずる医療従事者に迫ってきています。しかしながら、このような時代であるからこそ、私達は自らを省み、この場所、この時代に生かされていることを、神からの恵みと受け止めたいと思います。そうして、このJCMAを通して、何よりも主の御旨を追い求め、同じ使命と信仰を持つ者同志が集まり、共に支え合い、励まし合い、祈り合うことを目指しています。

医療という行為の中に、神の御意思が貫かれることを願う同労の友を、そして希望に燃えて医療職・福祉職を目指す学生諸兄姉を、新たに仲間としてお迎えする事を、私達は心から望んでおります。