1949年1月 ■日本キリスト者医科連盟設立趣意書

 「神は御心をなさん為、汝らの中に働き、汝らをして志を以て、業を行わしめ給へばなり。汝ら呟かず、疑はずして凡ての事を行へ」

 ここに我等は学閥を越え、教派を越え、主のみ名によりて連盟を結成し、神国実現の為、一致協力、学問の研鑚と社会への奉仕に挺身せんとす。全国のキリストに生きる医療関係者よ、若き情熱を傾けて来れ。我等此世に倣はず己が身を神の悦び給う潔き活ける供物として捧げん。

 1949年に設立した時の「趣意」は上に記した通りである。その後日本の国情の変化と共に本連盟の歩みは変わってきたが、精神は変わらない。医学を学び、あるいは医業にたずさわる者は、日常多くの問題に直面する。「人間」とは何か。「医療」とは何か、医療制度はこれでよいのか。医学教育はこれでよいのか。こうした問題に対処するキリスト者にふさわしい生き方を考え合い、そして具体的に少しでも行動しようとする交わりである。その歩みは自由であり若々しく何ものにも拘束されない。キリストを信ずる者であれば、教派の別など全く問わず、また年齢や身分なども我々の中では問題にならない。開業医もいれば勤務医もいる。研究者も学生もいる。老人、青年、看護師、保健師、また検査技師・レントゲン技師、ケースワーカーや薬剤師、そして病院事務職員もいる。恐らく、あらゆる分野の医療関係者が一つの精神の下に集い合うことのできる団体は本邦においては他に例を見ないであろう。みんなで作りあげていく交わりである。常に生き生きとした交わりでありたい。